災害時における安否確認、避難誘導、その後の支援活動を容易に行うためには、お互いの日頃からの信頼関係が大切です。
あまりお付き合いのない町内会の役員の人に突然、「避難するので付いてきてください」と言われても、戸惑ったり躊躇したりして、「あとで隣町に住んでいる息子が迎えに来るから」と断る事例が、他自治体の避難訓練等で報告されています。
いざというときに逃げ遅れないためにも、ご近所どうしとして顔見知り、日頃からのお付き合いを通して信頼を寄せていただく活動を行っているのが、高崎ふれあい連絡員の会です。
「高崎ふれあい連絡員の会」の設立活動要綱(PDF)
平成24年8月に会を発足させてから半年が過ぎました。
まだまだ始まったばかりの活動ですが、この半年間実践してみて感じたことを連絡員のみなさんにお話していただきました。
「高崎ふれいあ連絡員の会 年度末総括会議」
日時:平成25年3月26日(火)11:00~
場所:キャッスルプラザ多賀城
出席者:高崎自治会長、ふれあい連絡員、ほか
当日出された意見(要約・抜粋)
嬉しかったこと
1.待ってくれている
待っていてくれているようです。
訪問するのに日が空くと、「具合でも悪かったの?」と逆に心配されました。
2.ご家族に喜ばれている
おじいさんやおばあさんをお世話するお嫁さんや娘さんの方が、むしろいろいろと話をしたいような印象がありました。
3.野菜をくれました
訪問を喜んでくれているようで、野菜を持って行ってと言われました。
4.ご家族とあいさつするように
ご家族と道で会ったとき、親しくあいさつするようになりました。
難しく感じた対応
5.本人と会えないことも
ご家族が応対して「元気ですよ」と教えてくれるのですが、ご本人と会えないこともあります。
6.施策の意図があまり理解されていない
ご本人やご家族に、この施策の意図が充分に理解されていないようです。
7.呼んでも聞こえない
耳が遠い方は、玄関で呼んでも聞こえない時があるようです。
8.訪問を迷惑に思う方も
訪問を迷惑に思っている方もいるようで、ちょっと行きにくい感じもあります。
9.言葉を選ばないと・・・
「お元気そうですね」と言ったら気分を悪くされたことがあります。
あまり体調がよくないのに「元気」と言われたからでしょうか。
10.役所からの訪問者に対する苦情を言われた
「役所の人が来てあれこれ話をしたのに、その後役所からなんの対応もない」と言われて困ったことがあります。
11.重い内容の話・・・
病気を抱えて苦しいという胸の内を誰かに聞いて欲しいのでしょうが、専門職でもない自分が聞いても荷が重いと感じることがあります。
その他、感じたこと
12.マイナス発言をする方には
どこか褒めるところを見つけて(部屋をきれいにしているなど)、なるべくプラスな会話で終わるようにしています。
13.気にしながらも自分優先にした
少し前に大きな地震があった際、担当しているお宅を気にしながらも自分優先に行動しました。
14.おじいさん向けのイベントがあれば
おばあさんは出かける機会が割と多くありますが、おじいさんは家にこもりがちになります。
おじいさんを対象とした企画がなにかあるといいと思います。
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自治会長から:
みなさん、貴重なご意見をありがとうございました。
これを元に施策の見直しを検討するとともに、ご本人やご家族、そして地域のみなさんに再度この施策の目的をご理解していただくように努めます。
みなさんの訪問は原則として玄関先としていますが、人によっては踏み込んだ内容を聞いて欲しいということもあるかもしれません。
また、ご家族が本人と会わせてくれなかったり、当のご本人に訪問を嫌がられることもあるようですが、それで行くのをやめてしまうと、そこで関係が切れてしまいます。
ゆっくりと時間をかけて信頼関係を築いていきましょう。
更に、この活動を行うには、みなさん自身の安全と健康が何よりも大切です。そうでないと長続きしません。
災害時は高崎集会所に臨時避難所を開設しますから、「何かあったら高崎集会所へ行っていいんですよ」と伝えてください。
あと、個人で対応しきれない事案や、なにか困ったことは、そのまま訪問日誌に書いて報告してください。
市へフィードバックするなど、自治会長が対応します。
東日本大震災の経験と反省を元にはじめたこの施策は、みなさんあってのものです。
これからも地域の安全を共に支えていっていただけるよう、ご協力をお願いいたします。